月経前不快気分障害について(PMDD)<2019年10月29日のお知らせ>

月経前不快気分障害(PMDD)という一種の「うつ病」(の仲間)があります。これは、アメリカの診断基準DSM-5で初めて、臨床的な診断名として登場した物です。

症状は、1. 突然悲しくなる。涙が出る。人に拒まれるのでは、と凄く気にする。2. いらいらする。腹が立つ。人との口論や人間関係上のトラブルが多くなる。3. 憂うつ。気分が沈む。絶望感を感じる。自分はダメなんじゃないかと思う。4. 不安。緊張。いらだち。高ぶる。また、これ以外に、a. 仕事・学校・家庭・友人関係・趣味で興味が落ちたり、能率が下がる。b. 集中困難。c. だるい。疲れやすい。気力が全然出ない。億劫。起き上がれない。d. 過食。食欲が凄く変化する。あるいは、例えば、スイーツをその時期になると食べる。e. 過眠。あるいは、不眠。f. コントロールできない。あるいは、圧倒される感じ。そして、体の症状があり、ⅰ. 乳房の痛みや貼っている事。ⅱ. 関節痛・筋肉痛。ⅲ. むくみ。ⅳ. 体重増加。

以上が、月経前不快気分障害(PMDD)であり、生理の開始日の4日から2週間前(黄体期)から、症状が始まり、生理の開始日から全ての症状が速やかに改善・消失し、生理の後の1週間は、ほぼ完全に症状が無いのが特徴です。

こうして見てくると、月経前症候群(PMS)によく似ていますが、月経前症候群(PMS)が、生理の3日前から10日前(黄体期)より、次のような症状が出て、生理の開始日から症状が消えるか、軽くなるという内容で、A. 心の症状:イライラ。疲れやすい。憂うつ。不眠。B. 体の症状:乳房の痛み、張り。下腹部の痛み。頭痛。めまい。体のむくみ。という内容です。

月経前不快気分障害(PMDD)と月経前症候群(PMS)は、よく似ていますが、実際的には、生理前の憂うつ、不安、情緒不安定、過眠などによって、「学校や仕事を休んでしまう」「勉強や仕事の能率が極端に落ちる」「人との口論や人間関係のトラブルが落ちる」など、日常生活・社会生活に支障を来している場合には、月経前症候群(PMS)ではなく、月経前不快気分障害(PMDD)とするのが、臨床診断としては、妥当です。

当院では、月経前不快気分障害(PMDD)の治療、相談が可能です。